イーサリアムの大型アップグレード「Pectra」が5月7日にメインネットへ実装されたことを受け、イーサ(ETH)の時価総額は5日間で42%急騰し、コカ・コーラやアリババを上回る規模へと拡大した。
データ追跡サイト8marketcapによると、ETHは5月12日時点で約2,550ドルで取引され、時価総額は3,080億ドルを突破。これにより、世界資産ランキングで39位に浮上し、コカ・コーラ(3,035億ドル)やアリババ(3,037億ドル)を上回った。
この急騰の背景には、Pectraアップグレードによる技術的な改善がある。主な内容は、レイヤー2スケーリングデータの保存効率化、バリデーター(検証者)やスマートアカウントウォレットの操作性向上などである。
特に注目すべきは、外部所有アカウント(EOA)がスマートコントラクトのように機能し、ETH以外のトークンでガス代や支払いができるようになった点である。また、バリデーターのステーキング上限が従来の32ETHから2,048ETHに引き上げられ、大口ステーカーにとっての利便性が大幅に向上した。さらに、1ブロックあたりのデータブロブ数が増加し、レイヤー2ネットワークのスケーラビリティが改善された。
Pectraは当初2025年3月に導入予定だったが、テストネット上の技術的課題により複数回の遅延を経て、5月にようやく正式実装された。アップグレード後、ETHは5月7日時点の1,786ドルから12日には2,550ドルまで上昇し、42%の価格上昇を記録した。
一方で、セキュリティ専門家からは、新しい取引形式を悪用し、オフチェーン署名によって資金が盗まれるリスクがあるとの指摘も上がっており、注意が必要である。
※本記事は、以下の記事をもとに翻訳・要約しています。
Cointelegraph「Ethereum flips Coca-Cola and Alibaba as ETH gains 42% in 5 days」
コメント
イーサリアムの「Pectra」アップグレードにより、ETHの価格と時価総額は大幅に上昇し、企業としてのコカ・コーラやアリババを凌駕する結果となりました。技術的進化によってスケーラビリティとユーザー体験が向上する一方で、セキュリティリスクも指摘されており、慎重な注視が求められます。今後のさらなるアップグレードや価格動向、そして安全性の改善が、ETHの中長期的な価値を左右するポイントとなるでしょう。