米国の不動産資産運用会社であるPatel Real Estate Holdings(PREH)は、1億ドル規模のトークン化ファンド「PREH Multifamily Fund」を、実世界資産(RWA)特化型ブロックチェーン「Chintai」上で立ち上げた。2025年5月12日の発表によれば、本ファンドは全米の成長市場上位20都市にあるヴィンテージのAクラス集合住宅への投資を目的とし、認定投資家に機関投資家グレードの不動産機会へのアクセスを提供する。
このファンドは、Carlyle、DRA Advisors、Walton Street Capital、RPM、KKRなど複数の機関投資家と共同で設計された総額7億5,000万ドル規模の投資ビークルの一部であり、そのうち2,500万ドル分がChintai上でトークン化される予定である。
PREHによれば、トークン化によって、これまで流動性や透明性の面で課題があったプライベート不動産市場における投資環境が大きく改善されるという。
Chintaiは、ESG投資にも対応するR3サステナビリティファンドの基盤としても採用されており、独自トークン「CHEX」の時価総額は2億4,400万ドルに達している。
PREHの代表であるテジャス・パテル氏は「Chintaiは規制に準拠し、機関投資家向けに設計されたプラットフォームであり、我々の高水準なコンプライアンス要件と投資家保護を維持しつつ、ブロックチェーンによる効率化を可能にする」とコメントしている。
不動産のトークン化は長らく構想段階にあったが、北米やアラブ首長国連邦を中心に現実的な導入が進み、欧州でも法整備が進みつつある。今後10年間で4兆ドル相当の不動産がトークン化されるとの予測もDeloitteから示されており、業界の変革は加速している。
※本記事は、以下の記事をもとに翻訳・要約しています。
Cointelegraph「US real estate asset manager launches $100M tokenized fund with institutional backing」
コメント
PREHによるトークン化ファンドの登場は、不動産投資の未来を象徴する一歩といえるでしょう。これまで高額・長期保有が前提だった不動産投資が、ブロックチェーン技術を活用することで流動性を獲得し、より広い層に開かれつつあります。透明性や取引の効率化も期待でき、今後は富裕層のみならず、一般の認定投資家にもチャンスが広がるかもしれません。不動産とWeb3の融合に今後も注目です。