暗号資産金融サービス企業のアンカレッジ・デジタル(Anchorage Digital)は、ステーブルコイン発行企業であるマウンテン・プロトコル(Mountain Protocol)を買収し、自社のステーブルコイン関連サービスを強化した。買収は規制当局の承認とその他の手続きを条件としており、マウンテン・プロトコルのチーム、技術スタック、ライセンス枠組みはアンカレッジの既存インフラへ統合される予定である。
この買収により、マウンテン・プロトコルの主力ステーブルコイン「Mountain USD(USDM)」は段階的に廃止される。5月12日をもって新規のUSDM発行は停止され、報酬プログラムは今後30日間は継続されるものの、その後は年利0%に設定される。保有者は発行元のプラットフォーム経由で償還でき、取引所での他トークンとの交換も推奨されている。
アンカレッジのCEOネイサン・マコーリー氏は、「ステーブルコインは暗号経済の基盤になりつつあり、すべての企業が最終的に利用するようになるだろう」と語った。また、マウンテン・プロトコルのCEOマルティン・カリカ氏は、両社の技術と専門性を統合することで、世界的に高まるステーブルコイン需要に対応できると述べた。
アンカレッジは米国で唯一、連邦憲章を有するデジタル資産銀行であり、マウンテン・プロトコルはバミューダ金融庁の規制下でステーブルコインを提供している。
なお、今回廃止されるUSDMはイーサリアム基盤であり、カルダノ上のUSDM(Mehen Finance発行)とは無関係である。USDMは2023年後半の立ち上げ後、一時は時価総額1億5500万ドルに達したが、現在は5000万ドル以下まで減少している。
※本記事は、以下の記事をもとに翻訳・要約しています。
Cointelegraph「Anchorage Digital buys Mountain Protocol, USDM stablecoin winds down」
コメント
アンカレッジ・デジタルによるマウンテン・プロトコルの買収は、ステーブルコイン分野の拡大と再編が進む中で重要な動きです。USDMの廃止は残念ではありますが、今後はより大規模なインフラを通じたサービス提供が期待されます。保有者の皆様は、償還期限や報酬終了のタイミングにご注意ください。今後の動向にも注目が集まります。