エチオピアが国家レベルでビットコインマイニングを支援する初のアフリカ国家となり、同国は2024年に世界のビットコイン・ハッシュレートの2.5%を占めるまでに成長した。この急成長の背景には、エチオピア政府による水力発電の積極的な活用がある。特にアディスアベバ近郊の青ナイル川に建設された「グランド・エチオピアン・ルネッサンス・ダム」が大量の電力余剰を生み出し、エネルギー集約型のマイニングに理想的な環境を提供している。

2024年には、UMINERSを含む21のマイニング企業と政府との間で正式な契約が締結され、外資導入と経済開放の一環として注目を集めた。国内での暗号通貨取引は依然として違法であるが、インフラ投資や外貨獲得の手段としてマイニングが積極的に奨励されている。

UMINERSの戦略責任者フィリップ氏は、暗号通貨決済の普及には時間がかかるとしつつも、米ドル不足の問題を補うために電力消費量の多いマイニング事業をUSD建てで展開することで、対外貿易に必要な外貨を蓄積するという政府の狙いを語った。また、現地雇用の促進にも注力しており、地元大学と連携した人材育成プログラムの構想も明らかにした。

かつては個人が手軽に参入できたマイニング業界も、今や1台あたり3,000~10,000ドルの高額機器が必要な産業へと進化している。こうした状況を踏まえ、UMINERSは中小企業向けにビットコイン担保型の無利子ローンプログラムを開始。ビットコインを担保にマシンを導入し、月々10%ずつ返済することで、同時に10%ずつビットコインを回収できる仕組みを提供している。

今後はクラウドマイニングの展開や、政府・大企業向けのホスティング支援にも力を入れ、フルサポート体制を整えていく方針である。

※本記事は、以下の記事をもとに翻訳・要約しています。
Cointelegraph「Ethiopia in the global Bitcoin mining spotlight: AMA with UMINERS」

コメント

エチオピアが国家主導でビットコインマイニングに参入したことは、アフリカ全体にとっても画期的な動きです。電力インフラの整備と外国資本の呼び込みが連動し、新たな成長産業として暗号資産分野が注目されています。また、UMINERSのような企業が現地雇用や教育に積極的に取り組んでいる点も非常に前向きです。まだ暗号通貨の法整備は進んでいませんが、こうした動きが将来的な規制緩和や産業化のきっかけになる可能性があります。今後の展開に注目です。