ビットコインは史上最高値更新に向けて再び勢いを増しているが、市場の過熱感やセンチメントの偏りから短期的な調整リスクが高まっている。5月上旬には105,000ドルを一時突破し、過去1か月間で約39%の急騰を記録した。アナリストによれば、現在の市場は「利益優勢」の状態にあり、多くの投資家がすでに利確を始めている。実現時価総額は過去最高の8,890億ドルに達しており、106,000ドルを節目にさらなる利確が進む可能性がある。

グラスノードによると、過去の高値で含み損だった短期保有者も利益圏に入り、1日あたり10億ドル超の資金流入が確認されている。その結果、損失時の売却から利益時の売却へと行動が転換し、心理的な回復も進んでいる。機関投資家の関心も再び強まり、過去3週間で57億ドル以上がビットコインETFに流入し、米国の現物ETFが保有するBTCは過去最多の126万BTCに達した。

しかし、この急騰の反動への警戒も強まっている。Bitwiseのアンドレ・ドラゴシュ氏は、独自の「暗号資産センチメント指数」が2024年11月以来の最高値となったことを挙げ、市場が一方的なロングポジションに傾いていると警告している。68億ドルに膨らんだ建玉は過去最高水準にあり、わずかな要因でも価格が大きく動くリスクがある。

さらに、ビットコインと金の相関関係の変化も注目されている。米中貿易改善により米株が反発する一方、ビットコインと金は反応が鈍く、金が高値を切り下げる中、ビットコインも追随する可能性がある。加えて、6月や9月に弱含む傾向を持つ季節性も警戒材料である。

※本記事は、以下の記事をもとに翻訳・要約しています。
Cointelegraph「Bitcoin is one rally away from new highs, but overly euphoric bulls signal ‘overheating’ market」

コメント

現在のビットコイン市場は強気の雰囲気に包まれていますが、楽観ムードが過熱しすぎると反動が起きやすくなります。特に、短期間での急騰や一方向に偏った投資行動は、調整の引き金となることもあります。季節性や金との相関、米国の規制動向など、複数の外的要因も影響し得るため、慎重な見極めが重要です。中長期的には上昇余地があるものの、短期的には一時的な下落にも備えておくべきタイミングかもしれません。投資判断には冷静さが求められます。