AIによるディープフェイク音声を悪用した詐欺行為が米国内で急増している。FBIの5月15日の警告によれば、ハッカーは政府高官になりすまして、現職および元連邦・州政府関係者から機密情報を騙し取ろうとしている。
この詐欺は2024年4月から続いており、音声メッセージやテキストメッセージを用いて高官と信じ込ませ、信用を築いた上で悪意あるリンクに誘導し、パスワードなどの機密データを盗む手口が使われている。FBIは「高官からの連絡を受け取っても、即座に本物と信じるべきではない」と警告を発している。
被害が拡大すれば、乗っ取られた公式アカウントがさらに他の官僚や関係者を狙うツールとなりうる。また、ブロックチェーン企業Polygonの共同創業者サンディープ・ナイルワル氏も、Zoom通話上で自身のディープフェイクが使用される詐欺に巻き込まれたと報告している。
FBIは、送信者情報の確認、顔や手足の不自然さの検出、2段階認証の導入、未知の人物からのリンクは開かないことなどを対策として推奨している。
※本記事は、以下の記事をもとに翻訳・要約しています。
Cointelegraph「AI scammers are now impersonating US government bigwigs, says FBI」
コメント
AI技術の進化に伴い、詐欺の手口も巧妙化しています。特に今回のような音声や映像を使ったディープフェイク詐欺は、非常に信憑性が高く、誰もが騙される可能性があります。知らない相手からの連絡や、ソフトウェアのインストールを求められる場面では慎重に対応しましょう。常に本人確認を行い、2段階認証などのセキュリティ対策を徹底することが、自分の情報を守る最善策です。