香港拠点のWeb3企業Animoca Brandsが、米国ニューヨークでの株式上場を検討しているとの報道がなされた。背景には、ドナルド・トランプ大統領による暗号資産に対する寛容な姿勢があり、同社はこれを「世界企業が米国資本市場に参入するための絶好の機会」と捉えている。
アニモカの共同創業者で会長のヤット・シウ氏は、米フィナンシャル・タイムズに対し、現在は複数の株式構造を検討中であり、市況よりも「タイミングと戦略的立ち位置」に重点を置いていると述べた。ただし、アニモカは後にCointelegraphへの声明で「誤解であり、上場を確定したわけではない」としつつも、米国市場での事業拡大には意欲を示した。
アニモカは2020年、ガバナンスや暗号資産に関する問題でオーストラリア証券取引所から上場廃止されたが、その後はOpenSea、Kraken、Consensysなどへの出資を通じて存在感を強めてきた。2024年末には収益3億1,400万ドル、純利益9,700万ドル(いずれも未監査)を報告しており、前年比で大幅な成長を記録している。
シウ氏はさらに、トランプ政権による規制緩和を「絶好のチャンス」とし、これを活用しないことは「大きな損失」だと語った。実際に米証券取引委員会(SEC)は複数の暗号資産企業に対する訴訟を取り下げたり停止しており、司法省も暗号関連の特別部門を解散するなど、政策転換が進んでいる。
※本記事は、以下の記事をもとに翻訳・要約しています。
Cointelegraph「Animoca eyes New York listing, cites Trump’s crypto-friendly stance」
コメント
アニモカ・ブランズの米国上場検討報道は、トランプ政権下における暗号資産業界への規制緩和が国際的企業に与える影響の一例として注目されます。規制の不確実性により一度は離れた企業が、再び米国市場を成長機会と見なす動きが広がっています。今回のような柔軟な対応が続けば、より多くのWeb3企業が米国での拠点確立や資金調達を進めることが期待されます。ただし、今後の政策の持続性についても注視が必要です。