破綻した暗号資産取引所FTXの欧州部門「FTX EU」のユーザーは、現在、暗号資産取引所Backpackを通じてユーロ残高の返金請求が可能となっている。Backpackは2025年1月にFTX EUを買収しており、同プラットフォームが公式に返金プロセスを担うこととなった。

Backpackは5月12日のX(旧Twitter)投稿で、FTX EUの元ユーザーに対し、KYC(本人確認)を完了すればユーロ残高の請求ができるようになったと発表した。KYC情報は、FTX EUへの登録時と一致している必要があり、不一致がある場合は、Backpack EUサポートに連絡して情報の修正を行う必要があるとされている。

返金請求プロセスは2025年4月1日より開始されており、期限は現在のところ設定されていない。なお、すべてのEU在住のFTXユーザーがFTX EUの対象となるわけではなく、2022年3月7日以降にFTX EUに登録したユーザーのみが対象とされている。以前からのFTX Internationalの利用者は該当しない可能性があるため、利用規約の確認が推奨されている。

FTX EUの買収を巡っては、BackpackとFTX本体の管財人側で対立が続いている。Backpack側は買収完了を主張しているが、FTX側は「FTX EUの全株式は依然としてFTX Europe AG(FTXの子会社)が保有している」と反論している。これにより、返金プロセスが法的に確定しているわけではないことにも注意が必要である。

※本記事は、以下の記事をもとに翻訳・要約しています。
Cointelegraph「FTX EU creditors can now withdraw money from Backpack exchange」

コメント

FTX EUを利用していた方にとって、Backpackによる返金対応は一つの前進といえます。KYCを完了すればユーロ残高を請求できる仕組みが整っており、特別な締切も設けられていないのは安心材料です。ただし、FTX InternationalとFTX EUの区別や、KYC情報の一致が条件となるため、対象となるかどうかを事前に確認することが重要です。また、FTXとの所有権争いが続いていることから、最終的な進捗には今後の法的判断も影響する可能性があります。