カナダ拠点のビットコインマイナーBitfarmsは、2025年第1四半期に3,600万ドルの純損失を計上した。前年同期の600万ドルの損失から大幅に拡大した背景には、ビットコイン採掘からAI向け高性能コンピューティング(HPC)への事業転換がある。

同四半期の売上は6,700万ドルで前年比33%増となったものの、マイニング事業の粗利益率は前年の63%から43%に低下。2024年4月のビットコイン半減期と価格変動が圧迫要因となった。特にビットコイン価格は1月の10万ドル超から3月には8万ドル未満まで急落し、マージンに大きな影響を与えた。

このような市場環境の変化を受け、Bitfarmsは米国への事業展開を強化し、HPC施設の開発に注力している。ペンシルベニア州の施設拡張には、マッコーリー銀行から3億ドルの融資枠を確保した。また、2025年1月にはパラグアイのマイニング施設をHive Digitalへ8,500万ドルで売却している。

CEOのベン・ギャニオン氏は「マイニング事業を安定的な基盤としながら、AIデータセンターへの成長を図る」と述べており、今後もビットコイン市場の上昇余地を見据えた柔軟な戦略が展開される見通しである。

※本記事は、以下の記事をもとに翻訳・要約しています。
Cointelegraph「Bitfarms clocks $36M net loss amid shift from Bitcoin mining to AI」

コメント

ビットコインの半減期や価格変動の影響を受けて、マイニング事業の先行きに不安がある中、Bitfarmsのような企業はAIやHPC分野への転換を進めています。これは既存インフラを有効活用しながら収益源を多角化する有効な手段です。AI関連市場が成長を続ける中、暗号資産マイナーの動向も投資判断の一つとして注目すべきポイントになるでしょう。