米カリフォルニア州パロアルトに本拠を置く暗号資産カストディ(保管)企業BitGoは、ドイツの金融監督当局BaFin(連邦金融監督庁)より「MiCAライセンス(Markets in Crypto-Assets Regulation)」を取得したと5月12日に発表した。これによりBitGoは、EU加盟国全域において暗号資産のカストディおよびステーキングサービスを提供する正式な認可を得たことになる。
MiCAライセンスは、暗号資産業界における統一的なEU規制枠組みのもとで交付されるものであり、BitGoはこの承認により、銀行や資産運用会社などの伝統的金融機関から、暗号資産ネイティブ企業まで幅広くサービスを提供可能となった。
BitGoの欧州法人マネージングディレクターであるハラルド・パット氏は、「このライセンス取得は、セキュリティ、透明性、信頼性における我々の高い基準への取り組みを裏付けるものだ」と述べている。
BitGoは2023年にドイツ・フランクフルトにEU本社を設立して以降、イタリア、スペイン、ポーランド、ギリシャなど複数の国で登録を進めてきた。今回のライセンス取得により、EU全域で統一された規制のもとに業務を展開できることになる。
なお、BitGoのドイツ法人が取得したMiCAライセンスは、暗号資産の保管およびステーキングサービスに限定されている。BitGoの広報担当者は「当社のEU法人はBaFinおよびMiCAのもとでカストディとステーキングに特化したサービスを提供する」と説明している。
一方で、BaFinの公式データベースには5月12日時点で新たなMiCAライセンスの記載はなかったものの、過去の登録情報は反映されている。
※本記事は、以下の記事をもとに翻訳・要約しています。
Cointelegraph「Crypto custodian BitGo secures MiCA license in Germany」
コメント
BitGoがMiCAライセンスを取得したことで、EU域内の暗号資産管理業務における信頼性が一層高まりました。特に金融機関向けのカストディやステーキングサービスに関心のある投資家や事業者にとっては、安心材料となる動きです。MiCAによる規制統一が進む中、今後はより多くの暗号資産企業が欧州市場への進出を加速させると予想されます。信頼性のあるパートナー選びが、資産運用の鍵となるでしょう。