米商品先物取引委員会(CFTC)のクリスティ・ゴールドスミス・ロメロ委員が、2024年5月31日をもって退任することを発表した。彼女の退任は、かねてから予定されていたブライアン・クインテンツ氏のCFTC委員長就任が正式に決まった後という条件付きであったが、現時点での発表はその前倒しとなる見通しである。
ロメロ氏は、連邦政府で23年間にわたり奉職し、CFTCでは2022年以降、仮想通貨分野を中心とした技術アドバイザリー委員会の設立に尽力。さらに、仮想通貨取引所バイナンスに対する2.7億ドルの和解金を含む規制執行にも貢献した。
彼女の退任に加え、サマー・マーシンガー委員も5月末に退任予定であり、仮想通貨業界団体「ブロックチェーン協会」のCEOに就任する見込みである。これにより、CFTCには上院承認済みの委員が2人のみとなり、トランプ前大統領が最大3名の新任指名権を持つ構図となる。
このような人事の変動は、SECとCFTCによる仮想通貨の監督権限を明確化する法案の審議が進む中で発生しており、今後の米国における暗号資産規制体制に大きな影響を与える可能性がある。
※本記事は、以下の記事をもとに翻訳・要約しています。
Cointelegraph「CFTC commissioner to leave agency on May 31」
コメント
米国の主要金融規制機関であるCFTCにおいて、複数の委員が退任するという人事の変動が発生しています。特に仮想通貨業界との関わりが深かったロメロ委員の退任は、規制環境における大きな節目となりそうです。今後は、トランプ前大統領による人事が業界にどのような影響を与えるかが注目されます。SECとCFTCの役割分担を巡る法案も同時進行しており、規制の方向性に関心を寄せる方にとっては見逃せない局面です。