米商品先物取引委員会(CFTC)のサマー・マーシンガー委員が、任期を3年残して辞任し、暗号資産業界のロビー団体であるブロックチェーン協会(Blockchain Association:BA)の次期CEOに就任することが明らかとなった。BAによれば、現CEOのクリスティン・スミス氏は5月16日付で退任し、6月2日からマーシンガー氏が正式にCEO職を引き継ぐ予定である。
マーシンガー氏は2022年からCFTCの共和党枠の委員を務めていたが、5月30日をもって退任する。この動きにより、ドナルド・トランプ前大統領がCFTCに新たな委員を指名する余地が生まれる。同委員会は5人の委員で構成され、同一政党からの委員は最大3名までと定められている。
CFTCは米国における暗号資産の主要な規制機関の一つであり、現在、議会では同委員会と証券取引委員会(SEC)との監督権限を明確化するための法案が審議中である。マーシンガー氏はCFTCが仮想通貨スポット市場に最適な規制機関であると主張していたことから、その退任は業界に一定の影響を与えると見られている。
なお、BAはCoinbaseやRipple、Chainlinkなど大手暗号資産企業が加盟する業界団体であり、「革新的な未来志向の政策環境の整備」を掲げている。
※本記事は、以下の記事をもとに翻訳・要約しています。
Cointelegraph「CFTC commissioner will step down to become Blockchain Association CEO」
コメント
今回の人事は、米国の仮想通貨政策にとって大きな節目となる可能性があります。CFTCの現職委員が業界団体に移るという構図は、規制と業界の関係がより密接になっていくことを示唆しています。マーシンガー氏のCFTCでの経験が今後どのようにBAで活かされ、業界全体に影響を与えるのか注目されます。また、CFTC内の空席が新たな規制方向にどうつながるのか、仮想通貨ユーザーとしても目を離せない展開です。