ビットコイン(BTC)は、米国の消費者物価指数(CPI)が市場予想を下回ったにもかかわらず、5月13日の米ウォール街の市場開始と同時に再び売り圧力にさらされ、104,000ドル台を回復することなく下落した。米労働統計局(BLS)によれば、4月のCPI上昇率は前年同月比2.3%と、3月の2.4%から減少し、2021年2月以来の最小の上昇率となった。
米国株式市場では、S&P500とナスダック総合指数がそれぞれ0.7%、1.4%上昇するなど、リスク資産にとっては好材料であったが、ビットコイン市場はこれに反応せず、短期的なレンジ相場に突入している。トレーダーのDaan Crypto Trades氏は、ビットコインが流動性の集中ポイントを上下に抜けたことで、今後の新たなボラティリティの準備が整ったと分析している。
また、BinanceのCEOリチャード・テン氏は、「従来市場が回復する中、ビットコインはすでにリードしている」と述べ、年初来で金やS&P500、ナスダックを上回るリターンを記録していると強調した。ビットコインは「レジリエントな代替資産」としての立場を強化しており、その勢いは「否定できない」としている。
一方で、暗号資産取引会社QCPキャピタルは、ビットコインが「デジタルゴールド」としての保守的資産と「リスクオン資産」としての二面性の間で揺れており、方向感を欠いたままレンジ内での推移が続く可能性があると指摘した。
アナリストのミカエル・ヴァン・デ・ポッペ氏も、仮にビットコインが97,500〜98,000ドル台に一時的に下落したとしても、全体としては依然として上昇トレンド内であり、新たな最高値(ATH)への準備段階であると見ている。
※本記事は、以下の記事をもとに翻訳・要約しています。
Cointelegraph「Bitcoin shrugs off US CPI win as Binance CEO says BTC ‘leading pack’」
コメント
今回のCPI下振れは本来であればリスク資産にとって追い風となるはずですが、ビットコインは短期的に反発せず、方向感を失っている印象です。ただし、年初来で見るとビットコインは株式や金を上回るパフォーマンスを見せており、長期的な勢いは維持されています。今後の展開としては、調整を挟みつつ再び新高値を目指す動きが予想されます。今は市場の一時的な迷いを見守るタイミングかもしれません。