モバイル中心の仮想通貨取引所および決済プラットフォームであるCrypto.comは、欧州経済領域(EEA)において仮想通貨の金融デリバティブを提供するための「MiFIDライセンス」を正式に取得した。これにより、欧州での規制下での事業展開をさらに強化する。
本ライセンスはEUの金融商品市場指令(MiFID)に基づくもので、同社はすでに2024年1月に仮想通貨市場規制法(MiCA)による暫定承認を取得していた。さらに、キプロス証券取引委員会(CySEC)から、現地の金融企業A.N. Allnew Investmentsの買収についても承認を受けており、ライセンス取得はこの一連の戦略の一環とみられる。
Crypto.comの共同創業者兼CEOであるクリス・マルシャレク氏は、「MiCAライセンス取得後、当社はヨーロッパでのブランド認知を拡大しており、今後さらに多様なサービスを提供していく」と述べた。
この動きは業界全体のトレンドとも一致しており、KrakenやCoinbaseなどの主要取引所も同様にキプロス企業を活用してMiFIDライセンスを取得し、デリバティブ市場への進出を進めている。GeminiやSynthetixといった他の主要プレイヤーも欧州でのデリバティブ取引拡大に注力している。
Crypto.comはこれまでにも複数の企業買収を行っており、Fintek Securities、Charterprime、Orion Principals、Watchdog Capital(SEC登録ブローカー)などを傘下に収めている。
※本記事は、以下の記事をもとに翻訳・要約しています。
Cointelegraph「Crypto.com secures EU license to launch crypto financial derivatives」
コメント
Crypto.comが欧州で新たにMiFIDライセンスを取得したことは、仮想通貨市場における法的整備の進展と、規制環境下での信頼性確保を示す重要な一歩です。特に金融デリバティブという高リスク・高リターンな分野において、適切なライセンスの取得は利用者にとっても安心材料となります。今後、より多くのプラットフォームが規制に準拠しつつ、革新的なサービスを展開していくことで、仮想通貨市場の成熟が加速していくことが期待されます。