2024年5月13日、NFT市場の象徴的存在である「CryptoPunks」の知的財産権(IP)が、Yuga Labsから非営利団体「Infinite Node Foundation(NODE)」に譲渡されたことが発表された。NODEは「インターネットネイティブ文化の保護」に特化した非営利組織であり、今回の取引によってCryptoPunksのIPに加え、2,500万ドル(約39億円)の基金も設立され、米国におけるデジタルアート専門の最も潤沢な資金を持つ非営利団体となった。
取引の詳細な金額は公表されていないが、NODEはコレクションの運営に関する諮問委員会を設置し、CryptoPunksの創作者であるマット・ホール氏とジョン・ワトキンソン氏、そしてYuga Labsの代表者などが参加している。
CryptoPunksは、アルゴリズムによって生成されたピクセルアートのキャラクターで構成され、2017年にLarva Labsより誕生した。アート界の枠を超えた存在として文化的転換をもたらし、デジタルアート市場に大きな影響を与えた。
現在、CryptoPunksはNFT市場で最も高価値なコレクションとされ、約12億ドル(約1,870億円)の時価総額を誇る。過去には3億ドル(約470億円)を超える総売上を記録しており、2022年には単体で約2,400万ドルの高値で取引されたNFTも存在する。
同じくNFTで有名なBored Ape Yacht Clubの開発元であるYuga Labsは、2022年にCryptoPunksおよびMeebitsをLarva Labsから取得し、後にMeebitsを売却。2024年3月には、米証券取引委員会(SEC)による調査終了を「NFT業界の大きな勝利」と発表していた。
※本記事は、以下の記事をもとに翻訳・要約しています。
Cointelegraph「Yuga Labs sells CryptoPunks IP to Infinite Node Foundation」
コメント
CryptoPunksのIPが非営利団体に譲渡されたことで、今後は商業的利益ではなく、デジタルアートとしての価値の保存・継承に焦点が当たることになります。創作者や元運営者が関わる体制で文化資産として守られていく点は、NFTの未来にとっても大きな意義があるといえるでしょう。NFTに関心のある方は、今後のNODEの動向やCryptoPunksの文化的展開にもぜひ注目してみてください。