従来の金融インフラに依存するフィンテック企業は、依然として高コスト・低柔軟・処理遅延といった課題を抱えている。これに対し、「フロントはフィンテック、バックはDeFi(分散型金融)」という“DeFiマレット”構想が注目を集めている。
DeFiは、ステーブルコインの即時送金をはじめ、24時間365日の取引・融資・貸出インフラを提供し、手数料もわずか数セントと圧倒的に効率的である。これに対し、フィンテック企業はUXや法令遵守に強みを持ちつつ、旧来のシステムに縛られていた。
その解決策として、ユーザーインターフェースや法的フレームワークを維持しつつ、バックエンドをDeFiに移行するモデルが提案されている。これにより、企業はコスト削減と製品多様化を実現し、より透明性の高い金融サービスの提供が可能になる。
実際に、BlackRockのファンドのトークン化や、Stripeのブリッジ買収、米国のビットコイン準備資産構想など、機関のオンチェーン化も進行中である。さらに、DeFiは中立性・ガバナンスの最小化・変更頻度の低さといった特性を持ち、規制への対応にも柔軟である。
このような構造的転換により、スマートウォレットやアカウント抽象化を活用したWeb2レベルのUXを保ちつつ、ユーザーには意識されない形でDeFiが裏で動く新しい金融サービスが普及していくことが予想される。
※本記事は、以下の記事をもとに翻訳・要約しています。
Cointelegraph「The DeFi mullet — Fintech needs DeFi in the back」
コメント
フィンテックとDeFiの融合は、今後の金融業界における重要な変革の鍵となるかもしれません。ユーザーにとっては、これまで通りの使いやすさを保ちながら、より速く・安く・安全な取引が可能になる未来が見えてきています。DeFiの技術をバックエンドに活用することで、透明性や効率性が高まり、特に国際送金や資産運用の分野で大きな変革が期待されます。従来型の金融システムに限界を感じている方には、今こそDeFiに注目する好機かもしれません。