米証券取引委員会(SEC)のX(旧Twitter)アカウントを乗っ取り、ビットコイン現物ETFの承認を偽って投稿した事件の被告エリック・カウンシル・ジュニアに対し、弁護側は「1年と1日」の禁錮刑を求める意見書を2024年5月13日に提出した。これは検察側が求刑している2年の実刑よりも軽い内容である。
この事件は、2024年に発生したSIMスワップ攻撃によってSECの公式アカウントが乗っ取られ、虚偽のETF承認情報が投稿されたもので、ビットコイン市場にも一時的な影響を与えた。カウンシル被告は当初無罪を主張していたが、2024年2月に有罪を認め、重加算的な個人情報窃盗およびアクセスデバイス詐欺の共謀容疑で有罪答弁している。
弁護側は、被告の責任を十分に問いつつも、過度な量刑を避けるべきだと主張し、「1年と1日」という期間は法の尊重と犯罪抑止の観点からも妥当であると述べている。一方、検察側は、被告が高度な詐欺スキームを用いて約5万ドルの不正利益を得たとし、2年の実刑を求めている。
本件の量刑は5月16日に下される予定であり、審理を担当するエイミー・バーマン・ジャクソン判事は、検察に対し、重大犯罪の詳細とそれが記録上どこに示されているかを明示するよう命じている。
また、今後の暗号資産関連の訴追に影響を与える可能性として、2024年5月8日にはドナルド・トランプ前大統領がDC連邦地検の暫定トップとして、FOXニュースの司会者ジャニーン・ピロ氏を指名する意向を示しており、検察体制の変更にも注目が集まっている。
※本記事は、以下の記事をもとに翻訳・要約しています。
Cointelegraph「SEC hacker counters prosecutors with 366-day sentencing recommendation」
コメント
今回の事件は、SNS上の公式情報がいかに市場に大きな影響を与えるかを示す重要なケースです。ビットコインETFに関する偽情報は一時的な混乱を招き、投資家にとっても無視できないリスク要因となりました。司法判断が適切に下されることで、今後のサイバー犯罪抑止につながることが期待されます。また、検察体制の変化が仮想通貨関連事件にどう影響するのかも、今後注目すべきポイントです。