分散型金融プラットフォームSynthetixは、仮想通貨オプションプロトコルDeriveの買収計画を、コミュニティの反対を受けて撤回した。5月14日に発表されたこの取引案では、Synthetixのネイティブトークン「SNX」とDeriveの「DRV」を1:27の比率で交換し、Deriveを約2,700万ドル(約41億円)と評価する内容であった。
しかし、SynthetixとDerive双方のコミュニティから、交換比率や取引のメリットに対する懸念が噴出。Deriveのユーザー「Ramjo」は、このレートがDeriveの価値を過小評価しているとし、「安値での売却を固定化するようなものだ」と批判。さらに「AlvaroHK」というユーザーは、Deriveの方がSynthetixよりも収益性が高いと主張し、「Synthetixが新規トークンを大量発行して希薄化する懸念がある」と指摘した。
Synthetixの戦略責任者Ben Celermajer氏は、提案は一部の支持も得たが「期待には届かなかった」と述べ、今後の統合は見送ると明言した。Synthetixは引き続きEthereumメインネット上での分散型デリバティブ構築を模索する方針である。
※本記事は、以下の記事をもとに翻訳・要約しています。
Cointelegraph「Synthetix scuttles $27M Derive deal after community concerns」
コメント
SynthetixによるDerive買収案は、両コミュニティの懸念により白紙となりました。仮想通貨業界ではトークン価値や供給量の調整が慎重に扱われるべき重要なポイントです。今回の事例は、分散型プロジェクトにおいてユーザーの声がいかに大きな影響を持つかを示しています。今後も、こうした透明性のある議論を通じて、より成熟したエコシステムが形成されることに期待したいですね。