米ドル連動型ステーブルコイン「USDC」の発行元であるCircle社が、IPO(新規株式公開)と並行してRipple社およびCoinbase社との売却交渉も進めている可能性があると、米メディア「Fortune」が報じた。CircleはIPOによる企業価値評価額として少なくとも50億ドル(約7,800億円)を目標としており、売却価格もそれに準ずる水準を希望している。
報道によれば、Rippleは4月30日に40〜50億ドルの買収提案を行ったが、金額が低すぎるとして却下されたという。仮にRippleが買収を実施する場合、支払いには現金と自社の暗号資産XRPを用いる可能性がある。一方、Coinbaseによる買収では、現金と株式を組み合わせた支払いが想定されている。
なお、CircleとCoinbaseは2018年から共同で「Centre Consortium」を立ち上げ、USDCをはじめとする法定通貨裏付け型ステーブルコインの標準化に取り組んできた。現在もCoinbaseはUSDCを自社取引所に上場させており、両社は緊密な関係にある。
Circleは2024年4月1日にIPO申請を行い、同月中の上場を目指していたが、4日に一転して延期の可能性を示唆していた。これは経済の不確実性が影響しているとされる。
市場環境は改善傾向にあり、暗号資産市場および株式市場はいずれも活況を呈している。ビットコインは過去最高値の約109,800ドルにあと5%未満と迫っており、ETHやXRP、SOLも直近1ヶ月で大幅な上昇を記録している。S&P500も過去1ヶ月で15.6%の上昇を見せるなど、IPOを後押しする市場環境が整いつつある。
直近では、イスラエルの投資プラットフォームeToroが5月14日に上場し、株価が29%急騰する成功事例も生まれている。
※本記事は、以下の記事をもとに翻訳・要約しています。
Cointelegraph「Circle plans IPO but talks with Ripple, Coinbase could lead to sale: Report」
コメント
USDCを発行するCircle社のIPO計画は、現在の暗号資産市場の活況を背景に大きな注目を集めています。RippleやCoinbaseとの売却交渉の可能性も浮上しており、今後の動向は業界全体に大きな影響を与えるかもしれません。ステーブルコイン市場の中核を担うUSDCの発行元がどのような道を選ぶのか、投資家としても見逃せない局面です。今後の発表や価格変動には注視していきたいところです。