Web3業界における次の大波は「教育」であると、Animoca Brandsの会長であるヤット・シウ氏がConsensus 2025(トロント)で語った。

シウ氏は、世界全体で約3兆ドル規模にのぼる学生ローン市場をブロックチェーン上に移行することで、分散型金融(DeFi)のTVL(Total Value Locked=預かり資産総額)を4倍以上に拡大できると述べた。市場全体のわずか10%をオンチェーン化するだけでも、業界に大きなインパクトを与えるという。

さらに、学生ローンをオンチェーンで提供・返済できる仕組みを構築することで、若年層や銀行口座を持たない人々の間で暗号資産の普及が進むと主張。「最初のアンバンクト(非銀行ユーザー)は子どもたちだ」と語り、教育分野を通じたWeb3の浸透を促す。

同社は最近、フィリピンやインドネシアで学生ローンを提供する「Pencil Finance」への投資も行っており、今後はアメリカ市場への展開も計画している。

教育はすでにYouTubeやTikTokのような非公式な学習プラットフォームで日常的に行われており、Web3はそれを進化させる次なる基盤になりうる。学習履歴や評判を資産と見なす分散型エコシステムが今、着実に形を成しつつある。

※本記事は、以下の記事をもとに翻訳・要約しています。
Cointelegraph「Animoca’s Yat Siu says student loans can supercharge DeFi growth」

コメント

教育とWeb3の融合が、これからの暗号資産普及の鍵を握るかもしれません。特に学生ローンのような実用的な分野にブロックチェーン技術を導入することで、DeFi市場の拡大だけでなく、若者たちの金融リテラシーや技術への関心も高まることが期待されます。学びを通じて自然に暗号資産に触れる環境が整えば、より多くの人が安心してWeb3の世界に参加できるようになるでしょう。